何もしないを選ぶ

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鍵を置いた瞬間、少し笑った。 

レースカーテンからうすく入る光。 

テーブル、ソファー、ベッド。

1回深呼吸。 

白いタオル、歯ブラシ。
整えられた、紙、ペン、浴衣。 

スリッパに履き替えて、 

ソファーに座り、 
荷物の中から
本とチョコをテーブルの上に置く。 

レースカーテン越しに入る光。 
立ち上がって、カーテンを開ける。 

グリーンシーズン、新緑のゲレンデ。
視線を大きく動かして、視界に入る緑を眺める。

振り返って、椅子を窓辺に運ぶ。 
景色が一番よく見える場所を探して、椅子の位置を決める。
大きな窓の右側、斜面の緑がよく見える。

腰掛けて窓に肘をつく。

ベッドに、硬さの違う2種類の枕。 
窓辺に運んで顔を乗せ、 
首の角度や硬さを確認して、
一つ置く。 

本もチョコもやめた。 

窓の外も中も、暗くなっていた。

温泉、露天風呂へ。 

二日目、モーニングビュッフェ。 
好きな物を少しずつ。
皿の上は、少し山。

一面のガラス窓。 

珈琲と牛乳を交互に飲みながら、
緑を眺めてモーニングの時間いっぱい過ごす。 

ネットで見つけた居酒屋。
木の形そのままに切り出した、一枚板のカウンター。 
日本酒、地の魚、山菜。 

迷ったけれど予約はやめた。 

予定は無い。

休暇明けの出勤中。

いつもなら、
「今日は何から始めよう。」

その日は、
何も考えずに、運転していた。